新年の読書『鈴木先生』
2025年の幕が開けました。年明け最初の仕事予定が都合で無くなってしまい、ゆるゆると昨年末の撮影分のレタッチをしたり、webサイトの更新作業などを進めています。今年は雪が少なめですが、それでもここ長野県高山村は1月に入れば降り積もります。庭にはキツネの足跡が。彼らの世界と私たち人間の暮らし、その臨界にある気配を写真で表現することが今年の目標のひとつです。
さて、雪に覆われ仕事も少ないこの時期は多読になります。昨年は呉勝浩作品にのめり込みましたが、今年の出会いは武富健治による漫画作品『鈴木先生』です。読んで絶句、思考のマグマが全ページに脈打っていて緩むところがない。モブと思しきキャラクターが皆予想だにしない方向で生き生きと動き出す。文芸作品であり、群像劇であり、変態的ギャグホラー。チャップリンの言葉「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」を思い出す。いやはや武富先生、なんともすごい作品を産み落としてくれたものです。いったいどう生きたらこのような創作ができるのでしょうか。今の世の中にこの作品が確かにあるということが奇跡のようです。
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